まさかこんな不細工な型の商品が十年以上売れ、大ヒット商品になるとは自分自身思っていませんでした。

ピュアコンはただのネットワークと言ってしまえばそれまでですが、四角いメインユニット2つとMTLと呼ばれる不細工な形のコイル2つで構成されています。

MTLの形はこの10年何度もかっこいい形にしようと数十種類のサンプルを作ってみたものの、今のビニールテープでグルグル巻きにしたタイプ以上の音質のものはありませんでした。

1993年のある日、1人のユーザーが車を買い換えられオーディオの載せ替えに来られました。前の車はスピーカーの取り付け位置が低いところにあったのですが新しい車はかなり上の方に変わってしまいました。

前回はノーマルネットワークでそこそこ満足されていたのに今回はとても音が悪い。

原因はミッドレンジの上の方の音が直接耳に入ってきてうるさく聞こえるからでした。

ツイーターレベルをスイッチで下げればスペアナ上ではフラットになったものの聴感ではかなり不自然でした。

しかも運の悪いことにそのお客様はプロ用モニタースピーカーで名高いB&W、MATRIX801を持っておられたかなり音にうるさい方でした。自分も当時同じものを持っていたのでお客様と話し合いの上、ワンオフでモニタースピーカー的な音の出るネットワークを作ることになりました。

かなりの日数がかかって遂にオリジナルネットワークの第一号が完成してお客様も満足されました。

その後多くのユーザーの方からワンオフネットワークの注文をいただきました。

最初の頃は一台一台ものすごく時間がかかっていたのですが、同じ車種に同じスピーカーを取り付けると同じハイパス&ローパスを取り付ければよいわけで、売れれば売れるほどデータが集まってきて一台あたりの取り付けスピードも早くなってきてローコスト化が可能になってきました。

ピュアコンはシンプルな回路構成ですが、ものすごく細かいところまでこだわっています。たとえば普通のネットワークは生産性を上げるためにプリント基板を使うところをピュアコンではパーツのリード同士を広範囲に直結することにより極限まで半田の膜を無くしてロスのない艶のある音になっています。

またコイルやコンデンサの左右のペアリングをマイクロの100分の1まで測定して合わせることによって(普通プラスマイナス5%ぐらいの誤差がある)音のまとまりも大量生産されたものには出せないレベルを確立しています。

将来ハイブリッドカーが増えてきたときには今のような大電力を使うカーオーディオは廃れてくるでしょう。そんな未来も高能率で高音質のピュアコンは売れ続けるでしょうね。