今から9年前のある日、1人のユーザーの方が来店されて「奥さんの誕生日が近いので、奥さんの車の音を予算5〜6万円で良くして欲しい。いまはデッキもスピーカーもまるっきり純正です。どうにかなりませんかね?」と、相談がありました。「自分の車はナカミチやB&Wの商品を取り付けていい音だけどそれをもう1台という訳にもいかず、中途半端なデッキやスピーカーを買うのもCD付きの車だし、プレゼントの予算はお小遣いを節約して貯めた大事なお金を・・・」「わかりました。何とかします。」と、快く受けて純正スピーカーにチューンナップスピーカーを取り付け、ワンオフでパッシブネットワークを手作りで作りました。
 その当時はZSPツィーターもあるはずはなく、カロッツェリアのTS-T22(14,700円)を使い5万円台に収めました。調整に半日以上かけたかいあって、今までにない低価格で素晴らしいセットが出来上がりました。普通のチューンナップツィーターだと工賃を入れて2万円ぐらいで収まりますが、純正スピーカーの音にツィーターの高音をプラスしただけで、高音の量が増えたけど下手すると相対的に中低音が減ってしまったり、どこかの音域にピークが出来たりします。当社では、純正スピーカーの濁った高音を適度にカットしてそこへ上質な高音をプラスしてバランスが良い音を出す事が出来ます。スピーカーコードもとりあえずおまけで付いているという感じで、商品のクオリティを100%発揮しているとはいえません。コードを交換する事により細かい音の表現も出来る様になりました。
 お客様にはとても喜んでいただきました。しかし、お店としては毎回5万円台の売上で調整に半日もかかっていると採算が合いません。そこでデーターを毎回蓄積していって全国に加盟店をつくってデーターを共有すれば2台目からはものすごく短い時間で最高の音を出す事が出来ます。そこでパッケージ化すればいいんだと言う事になり数年後(2000年)にベーシックコースとしてZSPベーシックツィータを発売し、2005年に更なるリファインをネットワーク(ピュアコン)加えてベーシックパッケージとして大ヒット商品となりました。
 今も毎月車種情報は増えています。1人のお客様の「奥さんにいい音で音楽を聴いて欲しい。」と、いう気持ちを形にした事が後の大ヒット商品になるとはその時は思いませんでした。
BASIC PACKAGE