ZSPシリーズの産みの親、ピュアディオグループ代表の井川氏は20年前までは、音を色々と変化させる事がユーザーの為になると信じて実行していた一人だった。 1986年の1月に井川氏はカーオーディオ専門店を営んでいたが、縁あって民放FM局で番組を作る事になってショップと放送局を行ったり来たりするようになって、初めて本格的なスタジオの音にふれる機会を持った。スタジオのモニタースピーカーは今までに聴いた事の無いバランスのとれたストレートな音で、どんな音楽ジャンルのCDもきちんとならしてくれた。
 井川氏は「こんなすばらしい音が車の中で聴けたらいいだろうな。」と、思った。
 当時カーオーディオ製品には狭い空間で音を際立たせる為に独自のクセが付いていてそのクセがどうしても、スタジオ的な音を出せない足かせになっていた。スタジオへ向かう車内で井川氏は番組で使用するCDをモニターしていたが、カーオーディオの音とスタジオの音のあまりのギャップに日に日にストレスが溜まってきた。
 一年後、井川氏は番組を降板して、カーオーディオの販売、取付に専念する。
 音造りの基本として大型のプロ用モニタースピーカーを入手して、オリジナルパーツの開発に着手した。「全ジャンルの音楽をきちんとならせる、音を変化させるカーオーディオではなく進化させるカーオーディオ」を目指して。
 そして2001年の年初にはZSPシリーズのサンプルが完成する。当初ZSP-MIDとZSPベーシックTWは9万円から10万円ぐらいでツィーターとミッドレンジをセット販売で考えられていたが、途中でミッドレンジを高級化してツィーターを初心者向けのベーシック化するという別々の路線で商品化する事になった。
 それはユーザーのかなりの数の人がB&W社製のホーム用のツィーターやウーハーを車に取り付けておりミッドのみがカー用としてはつながりが悪いという問題があったからだ。
 実はB&W社の13cmミッドレンジはクロスが300〜400Hz付近で設計されており、カー用だとどうしても100HZ付近でクロスするため音が透けてしまうのだ。 多くのユーザーからB&W社のツィーターとつながる13cmミッドレンジがほしいとの声があった為あえてミッドレンジを高級化して単独販売する事になった。
 ピュアディオ製品のフラッグショップモデルのZSP-MIDは、後5年位は作り続けられるという事で、おそらく10年間ものベストセラーになる事だろう。
 もう一つのZSPベーシックツィーターは純正スピーカーにプラスすると低価格で良い音を楽しめるという事で、ユーザーさんのお友達や家族の方の車に取り付けられている事が多い。
 この商品も口コミで徐々に人気が出て来て今では定番商品となっている。